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悲しい漁師の物語〜柔道整復師を「ある漁師さん」に置き換えてみる

更新日:

ある漁師さんがいました。

既に漁師歴は5年、自分の船も持ってますしある程度の魚を獲るスキルも持っています。

でも最近、なかなか魚が獲れません。

修行した漁師さんは何も教えてくれなかった

食いつなぐために岩場でサザエやアワビを獲っていますが、漁業権の金額が高くて払えないので決まりより多く採って、いや盗っています。

「生活するためだもん、仕方ない」と言い聞かせながら。

実はある書類を提出すれば、特例が認められるのですが、そんなことも知らず犯罪行為を続けています。

これは独立するまで乗っていた船の責任者に教えてもらったそうです。

「過少申告をしてもバレなきゃ大丈夫だよ・・・・」

書類のことは10年以上前から広報されていましたが、責任者のレクチャーを信じていたそうです。

漁師さんに一通のDMが届く

ある日、一通のDMが届きました。

「あなたも漁獲高を3倍にしてみませんか?」

セミナーとコンサルティングのDMだったようです。

感化された漁師は「ダントツ漁師協会」に加入します。

なぜか魚を獲るスキルがあるのに、魚の獲り方から教えてもらうのにお金を払うという第三者から見れば不思議な選択をしました。

セミナーの様子や懇親会の様子を嬉しそうにfacebookに載せるようになりました。

マインドが大切だよ、と言われひたすら魚を獲るためのマインドを実践しました。

毎日感謝の言葉を100回唱え、水回りの掃除をして、神社にも毎日お参りしました。

漁師は協会から10万円で購入した「大漁マイスター」のディプロマを漁船に貼り出していましたが、周りからは「なんだありゃ?」と言われる始末。

「今に見ていろ!俺はこの辺りの漁協で唯一のダントツ漁師協会認定の大漁マイスターだぞ!」

しかし魚は獲れません。

そのコンサルは漁に出たことさえなかったそうです。

困った漁師さんにまたDMが届く

困った漁師はあるDMを目にします。

「漁獲が少ないのは船が小さいから!〜ハイテクな大型船があなたを救う!」

大きい船で漁をすれば魚が獲れるという「誰も知らないノウハウ」を教えてくれるんだそうです。

まだ、今の船のローンは残っていますが一発逆転を狙ってハイテクな大型船を購入してしまいます。

周りの漁師はさすがに止めました。

「この辺りじゃ今の船でも大きい。大漁の時でも水槽の8割くらいだったじゃないか。獲れる量は決まっているのにハイテクな大型船を買って何をするんだ?」

しかし漁師は耳を貸しません。

漁師の先輩のアドバイスより、漁もしたことがないコンサルタントを信じているからです。

しかし魚は獲れませんが、ハイテクなのもあり船が大きくなった分だけ管理が大変になって来ました。

実はダントツ漁師協会とハイテク大型船のコンサルタントが組んでいたこともあとで分かったことです。

今度はファックスでDMが来ました。

困った漁師さんにまたまたDMが届く

「面倒な船の管理を代行します!漁協を通さずに販路を拡大できます!」

先輩の漁師はこう言いました。

「自分でできることをなんで金を払ってやってもらわんといかんのだ?大きな船を手放して、元の船で漁をすればいいじゃないか」と。

代行なので燃料費は割高、清掃もしっかりしてくれませんし整備も経験の浅い人が整備をします。

販路は拡大できましたが、手数料を取られるので収入は増えませんでした。

そしてその日はやって来た

魚が獲れないで悩んでいる漁師の元に一本の電話がかかって来ました。

「漁獲高について過少申告の通報があった。書類を持って漁協まで来てくれ」

そうです、食いつなぐためにやっていたアワビやサザエの過少申告がバレました。

そして漁協から5年間、漁業権を剥奪され漁を禁止されました。

「こんなはずじゃ。。。。」と思った漁師に残ったものとは?

なぜ漁師は漁ができなくなったのか?

基本的には「ルールを守らなかった」からです。

じゃあ「ダントツ漁師協会」は何かしてくれたんでしょうか?

漁もしたこともないコンサルタントは密漁についても対処はできませんでした。

「今後の協会費は結構ですので。。。。」と言うだけ。

楽しそうな懇親会の写真だけが残りました。

「漁獲が少ないのは船が小さいから!〜ハイテクな大型船があなたを救う!」は不必要なハイテク大型船の借金だけが残りました。

「面倒な船の管理を代行します!漁協を通さずに販路を拡大できます!」は手数料を掠め取られただけでした。

過少申告を教えた独立するまで乗っていた船の責任者は、この件の漁協の「密漁懲戒委員会」の担当者でした。

教えた人間に取り調べを受けるという漫画みたいなことが起きました。

結局、魚を獲るのは自分

アワビやサザエの過少申告も、調べればわかったはずです。

いくらそう教えてもらったからと言ってやって捕まるのは自分です。

ダントツ漁師協会やハイテク大型船、整備代行・販路拡大業者はどうでしょう?

聞く耳を持たなかった漁師の責任です。

周りの先輩漁師は疑問を呈してくれましたから。

ダントツ漁師協会やハイテク大型船のコンサルだけでなく、整備代行・販路拡大業者までグルだったようです。

でもリースを組んだのも、印鑑を押したのも自分です。

手数料も「そんなもんか」と払っていれば本人の責任です。

「バカな漁師もいるもんだな」と思いましたか?

治療家のみなさん、

本当にあなたはその漁師を笑えますか?

※漁業の罰則等についてはフィクションです。

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